結論からお伝えします。髪質改善トリートメントをセルフ(自宅)で行うなら、「やさしく洗う → タオルドライしてから中間〜毛先にトリートメント → 週1回の集中ケア → すぐに乾かして最後に冷風 → 洗い流さないトリートメントで仕上げる」という5つの手順を、毎日続けることが基本です。特別な道具よりも、順番と量と時間を守ることのほうが、手触りやまとまりの差になります。ただし、強いうねりを伸ばす、髪の形を変えるといったことはセルフではできないため、そこはサロンの施術と役割を分けて考えます。
この記事では、arm’s hair(アームスヘアー)の店長として20年以上、髪のダメージやパサつき、うねりのご相談を受けてきた立場から、自宅でできる髪質改善トリートメントのやり方を、準備・手順・悩み別のコツ・よくある失敗まで順番にまとめます。
髪質改善トリートメントはセルフでどこまでできる?サロンとの違い

「髪質改善」という言葉は、サロンによって指す内容に幅があります。一般には、髪の内側の水分や油分のバランスを整え、表面をなめらかにして、ツヤとまとまりのある状態を目指すケアや施術のことを言います。
髪の太さや毛量、生まれつきのクセの強さは、遺伝の影響が大きい部分です。一方で、パサつき、ツヤのなさ、毛先の広がりといった「見た目の髪質」は、毎日の洗い方や乾かし方、熱や紫外線の受け方で大きく変わります。セルフケアで変えられるのは、主にこの「見た目の髪質」の部分です。
| 比べるポイント | セルフ(自宅)のケア | サロンの髪質改善メニュー |
|---|---|---|
| 主な目的 | 今の髪の状態を保ち、手触りとまとまりを整える | 髪の状態を見極めて、ツヤやまとまりを一段整える |
| 使う物 | 市販品・サロン専売品のシャンプー、トリートメント、オイル | 髪の状態に合わせて選ぶ施術用の薬剤・トリートメント |
| 続け方 | 毎日の積み重ね | 数週間〜数か月に一度 |
| うねり・クセ | 乾かし方で目立ちにくくする程度 | 内容によっては、うねりをやわらげる施術もある |
| かかる時間 | 1日数分〜週1回15分ほど | 当店の髪質改善ケラチントリートメントは約120分 |
| 向いている方 | 毎日の手触りを整えたい方、サロンの仕上がりを長く保ちたい方 | 自宅のケアだけでは広がりやパサつきが気になる方 |
大切なのは、どちらか一方ではなく「サロンで整えた状態を、セルフケアで長く保つ」という組み合わせです。サロンの施術だけで毎日のケアが雑になると、整えた状態は早く崩れます。反対に、セルフケアを丁寧にしていても、すでに強く傷んだ部分やクセの強い部分は、自宅だけでは見た目を整えきれないことがあります。
まず知っておきたい髪の構造と、パサつき・広がりが起こる理由
セルフケアの手順には、それぞれ理由があります。理由が分かると、手を抜いてよいところと抜いてはいけないところが見えてくるので、先に髪の仕組みを簡単に整理しておきます。
髪は、主に3つの層でできています。
| 層の名前 | 場所 | 役割 |
|---|---|---|
| キューティクル | 一番外側。うろこ状に何枚も重なる | 内側を守るふたの役割。整っているとツヤが出る |
| コルテックス | 中間。髪の大部分を占める | 髪の強さやしなやかさ、色を左右する |
| メデュラ | 中心。髪によってはない | 髪の芯にあたる部分 |
カラーやパーマ、ドライヤーやアイロンの熱、濡れたままの摩擦などで、表面のキューティクルがはがれたり、めくれたりすると、内側の水分や栄養分が抜けやすくなります。すると髪は乾燥して硬くなり、手触りがざらつき、光を均一に反射できなくなってツヤが減ります。さらに、内側がすき間の多い状態になると、空気中の湿気を吸ったときにふくらみ方にムラが出て、広がりやうねりとして見えます。
つまり、セルフの髪質改善でやることは、大きく分けて次の3つです。
- これ以上キューティクルを傷めない(洗い方・乾かし方・熱の当て方を見直す)
- 抜けやすくなった水分や油分を、トリートメントやオイルで補う
- 表面を整えた状態で、しっかり乾かして形を落ち着かせる
ここで知っておいていただきたいのは、髪は皮膚とちがって、自分で元の状態に戻る力を持っていないということです。一度はがれたキューティクルは、ケア用品で表面をなめらかに見せることはできても、生えたばかりの状態に戻るわけではありません。だからこそ、セルフケアでは「足すこと」と同じくらい「これ以上傷めないこと」が大切になります。毎日のシャンプーの温度、タオルでこする癖、乾かすまでの時間といった小さな習慣は、1回ごとの差は小さくても、数か月積み重なると毛先の手触りにはっきり表れます。
また、髪の根元から毛先までは、同じ一本の髪でも「年齢」が違います。根元は生えたばかりの新しい部分、ロングの毛先は数年前に生えた部分です。毛先ほど、これまでのカラーや熱、紫外線の影響を長く受けているので、トリートメントを毛先中心につけるのには、こうした理由もあります。
セルフ髪質改善の準備|シャンプーとケア用品の選び方

道具は、特別な物をそろえる必要はありません。ただ、毎日使うシャンプーの選び方は、髪の状態に直接関わります。
シャンプーの種類と特徴
市販のシャンプーは、洗浄成分の種類で大きく3つに分けて考えると選びやすくなります。
| 種類 | 特徴 | 向いている方 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|---|
| 高級アルコール系 | 泡立ちがよく、洗浄力が強め。価格は手ごろなものが多い | 皮脂が多い方、スタイリング剤をよく使う方 | 乾燥しやすい髪には、必要な油分まで落としすぎることがある |
| 石けん系 | 洗い上がりがさっぱりしている | さっぱりした洗い心地が好きな方 | 髪がきしみやすく、カラー毛やダメージ毛には合わない場合がある |
| アミノ酸系 | 洗浄力がおだやかで、うるおいを残しやすい | 乾燥毛、カラー・パーマ毛、髪質改善を意識したい方 | 洗い心地が物足りなく感じる方もいる。価格はやや高めの傾向 |
髪質改善を目指すなら、まずはアミノ酸系のシャンプーから試してみるのがおすすめです。成分表示の前のほうに「ラウロイルメチルアラニンNa」「ココイルグルタミン酸TEA」といった名前があれば、アミノ酸系の洗浄成分が使われている可能性が高いと考えられます。
シリコーン(成分表示では「ジメチコン」「シクロペンタシロキサン」など)は、髪の表面をなめらかにして指通りをよくする成分です。悪者ではありませんが、重さが気になる方や、ボリュームを出したい方は、ノンシリコーンのシャンプーを選び、トリートメントやアウトバスで手触りを整えるという組み合わせも一つの方法です。
トリートメントの選び方(髪質別)
| 髪の状態 | 選びたいタイプ | 使い方のポイント |
|---|---|---|
| 乾燥毛・カラーやパーマの毛 | 保湿成分(セラミド、ヒアルロン酸など)と、髪に近い成分(加水分解ケラチン、コラーゲンなど)が入ったもの | 毛先を中心に、量はやや多めに |
| 普通毛 | 水分と油分のバランス型 | 中間〜毛先に、適量を均一に |
| 脂性毛・根元がぺたんとしやすい髪 | 軽めの質感のもの | 中間〜毛先だけにつけ、根元は避ける |
そろえておくと便利な物
- 吸水性のよいタオル(髪用に1枚分けておくと、こすらずに水分を取りやすい)
- 目の粗いコーム(トリートメントを均一になじませる、からまりをほどく)
- ドライヤー(風量がしっかりあるもの。乾かす時間が短いほど、熱の負担が減る)
- 洗い流さないトリートメント(ミルク、オイル、クリームなど、髪質に合うもの)
- シャワーキャップかラップ(週1回の集中ケア用)
手順1|シャンプーは「予洗い」と「すすぎ」で差が出る
美髪のケアは、毎日のシャンプーから始まります。実は、シャンプーの銘柄よりも、洗い方のほうが髪の状態に影響することが少なくありません。次の5つのステップを目安にしてください。
- 予洗い(30秒〜1分):シャンプーの前に、38℃前後のぬるま湯で髪と頭皮をしっかりすすぎます。ほこりや汗など、多くの汚れはここで落ちます。予洗いを省くと、シャンプーが泡立ちにくくなり、量を増やしたりこすったりする原因になります。
- 量の目安:短い髪なら100円玉くらい、ロングなら500円玉くらいが目安です。手のひらで泡立ててから髪にのせます。原液を直接つけると、一部に濃くつき、摩擦も増えます。
- 指の腹で頭皮を洗う:爪を立てず、指の腹で頭皮を小さく円を描くように動かします。頭のてっぺん、耳の後ろ、首の付け根は汚れがたまりやすい場所です。毛先は泡を通すだけで十分です。
- すすぎは洗う時間の倍のつもりで:シャンプーが残ると、べたつきや頭皮のトラブルの原因になります。普通の長さでも1分以上、髪をかき分けながら根元までお湯を届けます。
- 2度洗いは状況に応じて:汗をたくさんかいた日や、スタイリング剤を多く使った日は2度洗いをします。1回目は頭皮中心、2回目は全体を洗うイメージです。普段は1回で十分です。
お湯の温度が高すぎると、髪や頭皮の油分を落としすぎてしまいます。熱いお湯が好きな方も、髪を洗うときだけは少しぬるめにしてみてください。
手順2|トリートメントの付け方と放置時間

トリートメントは「気持ちよさ」のためだけのものではなく、洗ったあとの髪に水分と油分を補うための大切な工程です。同じ商品でも、付け方で手触りが変わります。
- 軽く水気を切る:シャンプー後、髪を手でやさしく握って水気を切ります。びしょびしょのままだと、トリートメントが薄まって髪にとどまりにくくなります。
- 中間〜毛先につける:トリートメントは頭皮ではなく、傷みやすい中間から毛先につけます。特に毛先は、手のひらで包むようにしてなじませます。
- コームで均一にする:目の粗いコームで、上から下にやさしく通します。からまりを無理にほどかないことが大切です。
- 放置時間を守る:多くのトリートメントは3〜5分ほどの放置が目安とされています。短すぎると髪になじむ前に流れてしまい、長く置けば置くほどよいというわけでもありません。商品の表示に従いましょう。
- ぬるま湯ですすぐ:熱いお湯は避け、ぬるま湯ですすぎます。すすぎ残しはべたつきや頭皮トラブルの原因になるので、ぬるつきが取れるまで流します。
「すすぎすぎるとトリートメントの意味がないのでは」と心配される方もいますが、髪になじんだ成分は表面に残ります。頭皮についた分は、むしろしっかり流してください。
手順3|週1回の集中ケア(ヘアマスク+蒸しタオル)
毎日のトリートメントに加えて、週に1回、ヘアマスクなどの集中ケア用のアイテムを使うと、手触りの差を感じやすくなります。特に、カラーやパーマをしたあとの1週間は、髪が乾燥しやすい時期なので、集中ケアを取り入れるとよいタイミングです。
集中ケアのやり方
- シャンプー後、タオルで軽く水気を取る
- ヘアマスクを中間〜毛先にたっぷりなじませる
- ラップかシャワーキャップで髪を包む
- 上から温めたタオルを巻き、10分ほど置く(湯船につかりながらでもよい)
- ぬるま湯でしっかりすすぐ
温めることで髪がやわらかくなり、なじみがよくなると言われています。ただし、熱いタオルを頭皮に直接当てるのは避けてください。蒸しタオルは、濡らしたタオルを固く絞って電子レンジで温める方法が手軽ですが、取り出すときはやけどに注意し、手で触れる温度まで冷ましてから使います。
毎日のトリートメントとヘアマスクの違い
| 項目 | 毎日のトリートメント | 週1回のヘアマスク |
|---|---|---|
| 目的 | 洗ったあとの手触りを整え、乾燥を防ぐ | 乾燥しやすい部分に、まとめてうるおいを補う |
| 放置時間の目安 | 3〜5分 | 5〜10分(商品の表示に従う) |
| 使う量 | 適量 | 毛先を中心にたっぷり |
| 向いているタイミング | 毎回のシャンプー後 | 週1回、カラー・パーマ後の1週間、乾燥が気になる季節 |
手順4|タオルドライとドライヤーの乾かし方

濡れている髪は、キューティクルが開いたやわらかい状態です。このときの扱い方が、セルフの髪質改善でもっとも差が出るところだと私は考えています。
タオルドライ
- タオルで頭皮を包み、指の腹で押さえるようにして根元の水分を取る
- 毛先はタオルで挟み、ポンポンと押さえて水分を吸わせる
- ゴシゴシこすらない。濡れた髪どうしがこすれると、表面が傷みやすい
洗い流さないトリートメントを先につける
ドライヤーの前に、洗い流さないトリートメント(ミルクやオイルなど)を毛先中心につけます。熱から髪を守る表示のあるものを選ぶと安心です。ドライヤーの吹き出し口付近はかなり高温になるため、何もつけずに長く当てるのは避けましょう。
乾かす順番
- 根元から乾かす:髪の根元は乾きにくく、毛先は乾きやすい場所です。まず頭皮に風を入れるように、指で根元をほぐしながら乾かします。
- 上から下に風を当てる:根元が乾いてきたら、ドライヤーを上から下に向けて、キューティクルの流れにそって風を当てます。
- ドライヤーは15cm以上離し、振りながら:同じ場所に熱を当て続けないように、小さく振りながら乾かします。
- 8割乾いたらブラッシングしながら仕上げる:手ぐしかブラシで軽く引っぱりながら乾かすと、表面が整いやすくなります。
- 最後に冷風:全体が乾いたら、冷風を上から当てます。髪の形が落ち着き、ツヤが出やすくなります。
生乾きのまま寝てしまうと、枕との摩擦で表面が傷み、寝ぐせやうねりの原因になります。夜はしっかり乾かしてから休むことが基本です。
手順5|アウトバスケアとヘアオイルの使い方
乾かしたあとの仕上げや、朝のスタイリング前にも、洗い流さないトリートメントを使います。
タイプ別の使い分け
| タイプ | 質感 | 向いている髪 | 使うタイミング |
|---|---|---|---|
| ミルク | しっとり、やわらか | 細い髪、乾燥してごわつく髪 | ドライヤー前 |
| オイル | ツヤが出る、まとまる | 広がりやすい髪、毛先がパサつく髪 | ドライヤー前と仕上げ |
| クリーム | 重めにまとまる | クセやうねりが気になる髪、太く硬い髪 | ドライヤー前、朝のスタイリング |
| ミスト | 軽い | 根元のボリュームを残したい髪 | 朝の寝ぐせ直し、日中の乾燥対策 |
ヘアオイルのつけ方
- 量は、肩くらいの長さで1円玉大くらいから。足りなければ少しずつ足す
- 手のひら全体と指の間に伸ばしてから、毛先→中間の順になじませる
- 根元や表面にたくさんつけると、べたついて見える
- 最後に手に残った分を、表面に軽くなでる程度にする
お風呂上がりの濡れた髪につけると、水分を閉じ込めやすくなります。乾いた髪につける場合は、スタイリング前の保護や、仕上げのツヤ出しとして少量を使いましょう。
朝のセルフケア|寝ぐせ直しとスタイリング前のひと手間
夜にしっかり乾かしていても、朝は寝ぐせや毛先のはねが出ることがあります。朝のケアで大切なのは、熱を当てすぎないことです。
- 寝ぐせのある部分だけを、ミストや水でしっかり根元から濡らす(表面だけ濡らしても形は戻りにくい)
- ドライヤーで根元から乾かし、最後に冷風で形を落ち着かせる
- アイロンを使う場合は、熱から守るアイテムをつけ、乾いた髪に低めの温度で、同じ場所は1〜2回まで
- 仕上げにオイルやクリームを少量、毛先と表面になじませる
寝ぐせを直すときに、濡らさずにアイロンだけで伸ばそうとすると、温度を上げたり何度も当てたりしがちです。一度濡らしてから乾かすほうが、結果的に髪への負担を小さくできます。
悩み別|セルフの髪質改善で意識したいこと
髪の悩みは人によって違います。ここでは、ご相談の多い3つの悩みについて、セルフでできることを整理します。
パサつき:水分と油分のバランスを整える
パサつきの多くは、髪の水分不足から来ています。保湿成分を含むヘアオイルやミルクで、水分が逃げにくい状態を作るのが基本です。外出が多い日や乾燥する季節は、朝にも洗い流さないトリートメントを使うと、日中の乾燥を防ぎやすくなります。
カラー・パーマのダメージ:これ以上傷めない工夫
カラーやパーマをしている髪は、内側の成分が抜けやすい状態です。ケラチンやコラーゲンなどの、髪に近い成分を含むトリートメントを選ぶと、手触りが整いやすくなります。加えて、次の点を見直してみてください。
- ヘアアイロンは週2〜3回程度に抑え、使う日は熱から守るアイテムを毎回つける習慣にする
- アイロンの温度は、細い髪なら140℃以下、太い髪でも180℃以下を目安にし、同じ場所に何度も当てない
- 紫外線は髪の色あせやパサつきにつながるため、帽子や日傘、髪用のUVスプレーを使う
- 月に1〜2回は、スタイリング剤や整髪料の残りを落とすクレンジングシャンプーを使う。ただし洗浄力が強いので使いすぎず、そのあとは保湿のケアをしっかり
うねり・広がり:表面を整えて、乾かし方で落ち着かせる
うねりや広がりは、表面の乱れや、髪の中の水分のムラから起こります。くせ毛用やまとまりを意識したシャンプー・トリートメントには、弱酸性の物が多く、カラーなどでアルカリ性に傾いた髪を落ち着かせる考え方で作られています。
- 根元からしっかり乾かし、上から下に風を当てる
- 寝るときは、シルクやサテンの枕カバーにすると、摩擦による朝の広がりがおさえやすい
- 湿気の多い日は、ワックスよりクリームタイプやオイルでまとまりを出す
| 悩み | 毎日やること | 週1回やること | 見直したい習慣 |
|---|---|---|---|
| パサつき | 保湿系トリートメント、ドライヤー前のミルク・オイル | ヘアマスク+蒸しタオル | 熱いお湯、濡れたまま放置 |
| カラー・パーマのダメージ | 髪に近い成分のトリートメント、熱から守るアイテム | ヘアマスク、月1〜2回のクレンジング | アイロンの高温・回数、紫外線 |
| うねり・広がり | 根元から乾かす、上から下に風、冷風で仕上げ | ヘアマスク | 生乾きで寝る、綿の枕カバーの摩擦 |
1週間のセルフケア・スケジュール例
「何をいつやればいいのか分からない」という方のために、1週間の流れの例をまとめます。生活に合わせて、曜日は自由に入れ替えてください。
| 曜日の例 | お風呂でのケア | お風呂上がりのケア | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 月〜金 | 予洗い→シャンプー→トリートメント(3〜5分) | タオルドライ→ミルク・オイル→根元から乾かす→冷風 | 毎日の基本。ここを崩さない |
| 土 | 基本のケア+ヘアマスクと蒸しタオル(10分) | 基本のケア | 1週間の乾燥をまとめて補う日 |
| 日 | 汗をかいた日、スタイリング剤を使った日は2度洗い | 基本のケア+寝る前に枕カバーを確認 | 次の1週間の準備 |
最初からすべてを完璧にこなそうとすると、続かなくなります。まずは「予洗い」「毛先からトリートメント」「すぐ乾かして冷風」の3つだけを2週間続けてみて、手触りの変化を見てから、集中ケアやアウトバスを足していくのがおすすめです。
セルフケアでよくある失敗と直し方
ご相談の中で多い「頑張っているのに、うまくいかない」ケースをまとめました。
| よくある失敗 | 起こりやすいこと | 直し方 |
|---|---|---|
| トリートメントを根元からつける | 根元がぺたんとする、べたつく、頭皮のかゆみ | 中間〜毛先だけにつけ、頭皮についた分はしっかり流す |
| オイルをつけすぎる | 重い、べたつく、洗ってもすっきりしない | 1円玉大から始め、手のひらに伸ばしてからつける |
| 自然乾燥や生乾きで寝る | 朝の広がり、寝ぐせ、うねりが目立つ | 根元から乾かし、最後に冷風。寝る前に手で根元の乾き残しを確認 |
| 高温のアイロンを毎日使う | 毛先のパサつき、色あせ | 温度と回数を下げ、熱から守るアイテムを使う |
| 新しい商品を次々に試す | 合う・合わないの判断ができない | 1つの組み合わせを2〜4週間は続けて様子を見る |
| 毎日ヘアマスクを使う | 重くなる、ベタつく | ヘアマスクは週1回を基本に、乾燥の強い時期だけ増やす |
乾き残しが多いのは、えり足、耳の後ろ、分け目の根元です。ドライヤーを止める前に、この3か所を手で触って確かめる習慣をつけると、朝の広がり方が変わってきます。
内側からの髪のコンディションづくり(食事・睡眠)

外側からのケアに加えて、毎日の食事や睡眠も、髪のコンディションと無関係ではありません。ここでは一般に言われていることを、控えめにご紹介します。体の状態に関わることなので、気になる症状がある場合は医療機関にご相談ください。
意識したい栄養
| 栄養素 | 一般に言われている役割 | 含まれる食べ物の例 |
|---|---|---|
| たんぱく質 | 髪の主な材料となるケラチンのもと | 卵、肉、魚、大豆製品 |
| 亜鉛 | たんぱく質を作るはたらきに関わる | 牡蠣、レバー、ナッツ類、牛肉 |
| ビオチン(ビタミンB7) | 髪や肌の健康を保つビタミンの一つ | 卵黄、レバー、ナッツ類 |
| 鉄分 | 体のすみずみに酸素を運ぶ | 赤身の肉、ほうれん草、レバー |
| ビタミンE | 体のさびつきを防ぐはたらきがあると言われる | アーモンド、アボカド、オリーブオイル |
忙しいと食事だけで整えるのが難しいこともありますが、サプリメントは食事の代わりにはなりません。まずは毎食、たんぱく質のおかずを一品入れることから始めてみてください。
生活習慣
- 睡眠:毎日なるべく同じ時間に寝て、睡眠時間をしっかり取る。寝る前のスマートフォンを控えるのも一つの方法
- ストレス:深呼吸やストレッチなど、自分に合うリラックスの時間を持つ
- 運動:軽い運動で体を動かす。汗をかいた日は、早めにシャンプーして頭皮を清潔に
- 頭皮のマッサージ:シャンプーのときや寝る前に、指の腹でやさしく動かす。強く押しすぎない
髪の長さ別|セルフケアで気をつけたいポイント
同じ手順でも、髪の長さによって時間のかけ方や量が変わります。ご自身の長さに近いところを参考にしてください。
| 長さ | トリートメントの量の目安 | 乾かすときのコツ | 気をつけたい点 |
|---|---|---|---|
| ショート | さくらんぼ1粒くらい。毛先と表面に薄く | 根元を立ち上げるように、前から後ろへ風を当てる | つけすぎると、ぺたんとしてボリュームが出にくい |
| ボブ〜ミディアム | 500円玉より少し小さめ | 肩に当たる毛先は、最後に内側へ向けて風を当てる | 肩で毛先がはねて、表面がこすれやすい |
| セミロング〜ロング | 500円玉くらい。毛先は2回に分けてなじませる | 根元→中間→毛先の順に、時間を分けて乾かす | 毛先は数年前に伸びた古い部分なので、乾燥しやすい |
ロングの方は、乾かすのに時間がかかるぶん、「途中で疲れて毛先が生乾きのまま」になりがちです。最初にタオルドライを丁寧にして、根元を先に乾かすと、全体の時間が短くなります。ショートの方は、トリートメントやオイルの量が多すぎて、重く見えることのほうが多いので、少なめから始めてください。各長さのスタイルは、ヘアカタログでも紹介しています。
季節によって変えたいセルフケアの調整
髪の状態は、季節によっても変わります。一年中同じケアを続けるより、季節に合わせて少しだけ調整すると、まとまりを保ちやすくなります。
| 季節 | 髪に起こりやすいこと | セルフケアの調整 |
|---|---|---|
| 春 | 風や花粉、紫外線が強くなりはじめる。冬の乾燥が残っている | 帰宅後にブラッシングでほこりを落とす。UVスプレーを使いはじめる |
| 梅雨 | 湿気で広がる、うねる | 根元までしっかり乾かす。仕上げにオイルやクリームで表面を整える |
| 夏 | 紫外線、汗、海やプール、エアコンの乾燥 | 2度洗いの日を増やす。集中ケアを週1回は続ける。帽子や日傘を使う |
| 秋 | 夏の紫外線のダメージが表に出やすい | 集中ケアの回数を増やす。毛先のパサつきが強ければカットで整える |
| 冬 | 空気の乾燥、静電気 | ミルクやクリームなど保湿寄りのアウトバスにする。熱いお湯を避ける |
季節の変わり目は、髪の手触りが変わったと感じやすい時期です。「最近まとまりにくい」と感じたら、ケア用品を総入れ替えする前に、まずは乾かし方と量を見直してみてください。
ケア用品を選ぶときに見ておきたい表示
パッケージの表示は、ケア用品を選ぶときの手がかりになります。むずかしく考えず、次の点を見ておくと選びやすくなります。
- 成分表示は、一般に配合量の多い順に並んでいる。前のほうにある成分が、そのアイテムの性格を表しやすい
- 「カラーした髪に」「ダメージケア」「くせ毛・うねりに」など、どんな髪向けかの表示
- 洗い流すタイプか、洗い流さないタイプか(使い方を間違えると、べたつきの原因になる)
- 熱から守るはたらきがあるかどうか(アイロンを使う方は特に)
- 香りや質感が、毎日続けられるものか
どれだけよい商品でも、使い続けられなければ意味がありません。香りや手触りが好きなものを選ぶことも、セルフケアを続けるための大切なポイントです。迷ったときは、ご来店の際に使っているアイテムをお持ちいただければ、髪の状態と合わせて一緒に考えます。
セルフケアの変化を確かめる方法
髪の変化は毎日少しずつなので、自分では分かりにくいものです。次のような方法で、変化を記録しておくと、続ける励みになり、合う・合わないの判断もしやすくなります。
- 同じ場所・同じ時間に写真を撮る:窓際の自然光で、正面と横、後ろを撮っておくと、ツヤや広がりの違いが比べやすい
- 手触りをメモする:毛先の引っかかり、乾かしたあとのやわらかさを、3段階くらいで書き留める
- 朝のスタイリング時間を測る:まとまりが出てくると、アイロンやブローの時間が短くなることが多い
- 使ったアイテムと量を書く:変化があったときに、何が合っていたのかを振り返れる
2週間、1か月、2か月と区切って見返すと、小さな変化にも気づきやすくなります。この記録は、サロンでご相談いただくときにもとても役立ちます。
セルフケアの限界と、サロンの髪質改善を考える目安

正しいセルフケアを続けても、次のような状態のときは、自宅のケアだけでは見た目を整えにくいことがあります。
サロンへの相談を考えたいチェックリスト
- 乾かしても、表面のチリチリした毛やうねりが目立つ
- ブリーチやカラーを繰り返し、毛先が絡まりやすい、濡れるとやわらかく伸びる
- 毎朝アイロンを使わないとまとまらず、その熱でさらにパサつく
- セルフケアを1〜2か月続けても、手触りの変化がほとんど感じられない
- 湿気の多い日は、何をしても広がってしまう
当店では、髪質改善ケラチントリートメント(当店オリジナル・約120分・¥10,500)のほかに、短時間で手触りを整えるトリートメント(¥3,300・約15分)、ホームケア付きのプレミアムトリートメント(¥5,500・約30分)をご用意しています。クセが強い方は、縮毛矯正(¥15,000〜・180分〜)が向いている場合もあります。どちらが合うか迷う方は、髪質改善と縮毛矯正のどちらを選ぶかの記事も参考にしてください。
サロンで整えたあとの状態を長く保つのは、まさにこの記事でご紹介したセルフケアです。施術の間隔の考え方は、髪質改善の頻度の記事にまとめています。
サロンの施術の前後にセルフで意識したいこと
| タイミング | やること | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 施術の数日前 | いつも通りのケア。髪の状態を見てもらうため、特別なことはしない | 高温のアイロンを何度も当てる |
| 施術の当日 | カラーやパーマの履歴、使っているケア用品を美容師に伝える | 自分で前日にセルフカラーをする |
| 施術後の1週間 | 集中ケアを取り入れ、しっかり乾かす | 熱いお湯で洗う、生乾きで寝る |
| 次の来店まで | 基本の5つの手順を続け、気になる変化をメモしておく | 毎日違う商品を試す |
よくある質問(Q&A)

- セルフの髪質改善は、どれくらいで変化を感じますか?
個人差はありますが、洗い方や乾かし方を見直すと、早い方では2週間ほどで手触りの違いを感じる場合があります。見た目のまとまりは1〜2か月ほど続けて判断するのがおすすめです。髪は1か月に1cmほど伸びると言われているので、全体の状態を整えるには数か月単位で考えると気持ちが楽になります。
- 市販のシャンプーとサロン専売品は、何が違いますか?
サロン専売品は、美容師が髪の状態に合わせて選ぶことを前提に作られたものが多く、成分のバランスや質感にこだわった商品がそろっています。一方で、市販品にも品質のよいものはたくさんあります。大切なのは、価格や評判よりも、自分の髪質と悩みに合っているかどうかです。
- シャンプーとトリートメントは同じシリーズでそろえるべきですか?
同じシリーズは、組み合わせて使うことを前提に作られているので、そろえると選びやすくなります。ただし、頭皮の悩みと毛先の悩みが違う場合は、シャンプーは頭皮向け、トリートメントは毛先のパサつき向け、というように組み合わせる方法もあります。
- ヘアオイルはいつ使うのがよいですか?
基本はお風呂上がりの濡れた髪に、ドライヤーの前につける方法です。水分を閉じ込め、熱から髪を守りやすくなります。乾いた髪には、朝のスタイリング前や仕上げのツヤ出しとして、少量を使いましょう。
- カラーやパーマをしていても、セルフの髪質改善はできますか?
できます。むしろカラーやパーマをしている方こそ、毎日のケアが仕上がりの持ちに関わります。施術後1週間の集中ケア、熱いお湯を避ける、紫外線対策などを組み合わせることで、おしゃれを楽しみながら髪の状態を保ちやすくなります。
- 毎日ヘアマスクを使ったほうが、早く髪がよくなりますか?
量を増やせばよいとは限りません。ヘアマスクは成分が濃いものが多く、毎日使うと重さやべたつきが出ることがあります。基本は週1回にして、乾燥が強い時期やカラー後だけ回数を増やす、という考え方がおすすめです。
- 自然乾燥のほうが髪にやさしいのではないですか?
ドライヤーの熱を避けたい気持ちは分かりますが、濡れた状態が長く続くと、摩擦で表面が傷みやすく、うねりも出やすくなります。熱から守るアイテムを使い、ドライヤーを離して振りながら、短い時間で乾かすほうが、多くの場合は髪の状態を保ちやすくなります。
- 「髪質改善シャンプー」と書かれた商品を使えば、セルフでも髪質改善になりますか?
商品名や表示だけで判断するより、洗浄成分の種類や、自分の髪の悩みに合っているかを見るのがおすすめです。どんなシャンプーでも、予洗いやすすぎ、乾かし方がおろそかだと、手触りは整いにくくなります。商品選びと使い方の両方をそろえることが大切です。
- ドライヤーは温風と冷風、どちらで乾かすのがよいですか?
乾かす時間が長くなるほど髪の負担は増えるので、基本は温風で手早く乾かし、最後に冷風で仕上げる組み合わせがおすすめです。ドライヤーは15cm以上離し、同じ場所に当て続けないようにしてください。
- セルフケアだけで、サロンの髪質改善と同じ仕上がりになりますか?
同じにはなりません。セルフケアは「整った状態を保つ・これ以上傷めない」ことが中心で、サロンの施術は髪の状態を見極めて一段整える役割です。サロンでの仕上がりを自宅でどう保つかは、ご来店時にお気軽にご相談ください。初めての方は初めての方へのご案内もご覧ください。

まとめ:5つの手順を毎日続けることが、セルフ髪質改善の近道

最後に、この記事のポイントを振り返ります。
- セルフで整えられるのは、主にパサつき・ツヤ・広がりといった「見た目の髪質」。強いクセを伸ばすのはサロンの役割
- シャンプーは予洗いとすすぎを丁寧に。乾燥しやすい髪はアミノ酸系から試す
- トリートメントは水気を切ってから中間〜毛先に。放置時間は3〜5分が目安
- 週1回はヘアマスクと蒸しタオルで集中ケア
- 根元から乾かし、上から下に風を当て、最後に冷風。生乾きで寝ない
- アウトバスは髪質でミルク・オイル・クリームを使い分ける
- 1〜2か月続けても変化がない、ダメージやうねりが強いときは、サロンに相談する
いきなりすべてを変える必要はありません。まずは今日のお風呂から、予洗いを1分してみる、トリートメントを毛先からつけてみる、寝る前に根元まで乾かす、という小さなところから始めてみてください。
arm’s hair(アームスヘアー)は、埼玉県所沢市狭山ケ丘の狭山ヶ丘駅 西口から徒歩5分にあります。スタッフ全員が美容歴10年以上で、髪の状態とご自宅でのケアの両方を見ながらご提案しています。料金メニューやお悩み別のメニューもあわせてご覧ください。
※ケア用品は、パッケージの使用方法をよく読み、頭皮や髪に合わないと感じたら使用を中止してください。頭皮のかゆみや赤みが続く場合は、医療機関にご相談ください。

