薄毛や抜け毛に悩んでいる方は多いですが、その原因は一つではありません。薄毛の主な原因を知ることで、対策を立てる上で役立つ情報を得ることができます。
薄毛の原因とは?
男性ホルモンによる影響
男性ホルモンによる脱毛症の一つであるAGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンが関与しています。しかし、直接的に薄毛を引き起こすわけではありません。男性ホルモンの一種であるテストステロンは、5αリダクターゼと結合することで、ジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。このDHTが毛包のホルモン受容体に結合することで、髪の成長サイクルが乱れ、薄毛が進行します。
環境の影響
AGAは遺伝が主な要因ですが、環境因子も影響します。例えば、一卵性双生児でも薬の効果に違いが出る場合があります。これは、喫煙歴などの環境因子が影響している可能性があるためです。薄毛の原因の約20%は遺伝以外の要因によるものとされています。
遺伝
AGAは遺伝的な要因が強い疾患です。一卵性双生児の研究からも、同じ遺伝子を持つ双子でも髪の毛の変化が似ていることがわかっています。AGAと関連するホルモン受容体遺伝子の数は個人によって異なり、多いほどAGAのリスクが高まります。
食事や生活習慣
食生活の偏りや生活習慣の乱れも薄毛の原因となります。たんぱく質やミネラル、ビタミンの不足は髪の成長に影響し、糖質の不足はエネルギー源となり、髪の成長を妨げる可能性があります。また、睡眠不足やストレスも薄毛を引き起こす要因となります。
ストレス
ストレスが薄毛の原因になることはよく知られています。ストレスによってホルモンバランスが乱れ、薄毛を引き起こす可能性があります。また、ストレスによって血管が収縮し、頭皮の血行が悪化することも薄毛の要因の一つです。
外的要因
日常生活における外的要因も頭皮環境の悪化を招きます。パーマやカラーは頭皮に刺激を与えるため、薄毛のリスクを高めることがあります。紫外線も頭皮にダメージを与え、薄毛を引き起こす可能性があります。
男性型脱毛症は何人に1人くらいですか?
AGA(Androgenetic Alopecia)は、男性ホルモンに敏感な毛包が、遺伝子的な要因によって徐々に縮小し、最終的には細く短い毛しか生えなくなる症状です。この症状は男性型脱毛症とも呼ばれ、男性ホルモンであるテストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変換されるプロセスによって引き起こされます。
AGAの治療法には、ミノキシジルやフィナステリドなどの外用薬や内服薬があります。これらの治療法は毛包のDHTへの反応を抑制し、脱毛を遅らせる効果があります。ただし、効果は個人によって異なる場合がありますので、専門医の指導のもとで治療を行うことが重要です。
男性型脱毛症は完治しますか?
AGA(Androgenetic Alopecia)による薄毛は、自然に完治することはほとんどありません。AGAは主に男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)が毛包に作用して頭髪の成長サイクルを短縮させることによって引き起こされます。また、遺伝的要素も影響を及ぼすため、家族歴があると発症リスクが高まるとされています。
男性型脱毛症にはどんなタイプがありますか?
男性の脱毛症には、「男性型脱毛症(AGA)」「脂漏性脱毛症」「円形脱毛症」の3つのタイプがあります。
男性型脱毛症(AGA)
AGAは成人男性によく見られる進行性の薄毛で、成人男性の4人に1人がAGAであると言われています。生え際や頭頂部から薄くなっていくのが特徴で、思春期以降から発症し、50代以降では半数以上の人が発症します。遺伝や男性ホルモンの影響が主な原因で、発毛サイクルが乱れることで毛髪が成長せずに抜け落ちてしまいます。治療は早めに始めることが重要で、毛包が残っているうちに治療を開始することが肝要です。
脂漏性脱毛症
脂漏性脱毛症は、皮脂の過剰分泌や精神的ストレスが原因とされる脱毛症です。皮膚に常在しているマラセチアというカビが関与しているとされ、皮脂の量が多いとマラセチアが増殖し、頭皮が赤くなりフケが発生します。治療は皮膚科で行われ、外用薬が処方されることが一般的です。
円形脱毛症
円形脱毛症は、免疫系の異常が原因で起こる自己免疫疾患による脱毛症です。思春期以降に突然発症し、頭部や眉毛、まつ毛などに円形や楕円形の脱毛が現れます。精神的ストレスやアトピー性疾患を持つ人に多いとされています。治療はステロイド注射や内服などが行われます。