毎日行うシャンプー。ほとんどの方が無意識のうちに、自己流の洗い方を続けているのではないでしょうか。しかし、その洗い方、実はお気に入りのシャンプーのポテンシャルを最大限に活かせていないだけでなく、大切な髪を傷つけているかもしれません。
美容の国家資格を持つ専門家監修のもと、美髪を育むための正しいシャンプー方法を徹底解説。これまで信じてきたシャンプーの常識を覆し、まるでサロン帰りのような、つややかで健康的な髪を手に入れましょう。
なぜシャンプーで髪が傷むのか?誤った洗い方が招くヘアトラブル

「シャンプー=髪を洗うもの」という認識は、半分正しく、半分間違いです。確かに、シャンプーは頭皮や髪の汚れを落とす役割がありますが、同時に、髪の表面を保護するキューティクルを剥がし、内部の水分や油分を奪ってしまう可能性も秘めているのです。
特に、以下のような誤った洗い方は、髪へのダメージを加速させ、様々なヘアトラブルを引き起こす原因となります。
ゴシゴシ洗いの弊害
指先や爪を立ててゴシゴシ洗うと、キューティクルが剥がれやすくなり、髪がパサついたり、枝毛や切れ毛の原因になります。
熱すぎるお湯はNG
熱いお湯は、頭皮に必要な皮脂を過剰に洗い流し、乾燥を招きます。乾燥した頭皮は、バリア機能が低下し、フケやかゆみ、炎症などのトラブルを起こしやすくなります。
シャンプーの原液を直接つける
シャンプーの原液を直接頭皮につけると、刺激が強すぎて、炎症を引き起こす可能性があります。
すすぎ残しは厳禁
シャンプーやトリートメントのすすぎ残しは、頭皮の毛穴を詰まらせ、炎症や抜け毛の原因となることがあります。
自然乾燥は髪の敵
濡れた髪は、キューティクルが開いた状態のため、非常にデリケートです。自然乾燥させると、髪内部の水分が蒸発し、パサつきやうねりの原因になります。
美髪を育むためのシャンプーメソッド:7つのステップ
シャンプー前のブラッシング:美髪へのファーストステップ

シャンプー前のブラッシングは、美髪への第一歩。見落としがちですが、実は非常に重要なステップです。
- 絡まりを解消し、ダメージを軽減: 髪が絡まった状態でシャンプーをすると、摩擦によってキューティクルが剥がれやすくなります。ブラッシングで絡まりを事前に解消することで、シャンプー時のダメージを軽減することができます。
- 汚れを浮き上がらせ、洗浄効果をアップ: ブラッシングによって、髪表面のホコリや汚れを浮き上がらせることができます。これにより、シャンプーの洗浄効果を高め、より効率的に汚れを落とすことができます。
- 頭皮を刺激し、血行を促進: ブラッシングは、頭皮を適度に刺激し、血行を促進する効果があります。血行が良くなると、髪の成長に必要な栄養が頭皮に届きやすくなり、健康的な髪を育むことができます。
- ブラシの選び方: 豚毛や猪毛など、天然素材のブラシがおすすめです。静電気を起こしにくく、髪に優しく、適度な油分を与えてくれます。
- ブラッシングの方法: 毛先から優しくほぐし、徐々に根元に向かってブラッシングしましょう。力を入れすぎると、髪を傷つける原因になるので注意が必要です。
予洗:汚れの7割はここで落とす!

シャンプーの前に、お湯で髪を洗い流す「予洗い」。実は、この予洗だけで、髪の汚れの約7割を落とすことができると言われています。
- シャンプーの使用量を減らし、頭皮への負担を軽減: 予洗で汚れを落とすことで、シャンプーの使用量を減らすことができます。これにより、頭皮への刺激を抑え、乾燥や炎症を防ぐことができます。
- シャンプーの泡立ちを良くする: 髪が十分に濡れていない状態でシャンプーをすると、泡立ちが悪くなります。予洗で髪全体を濡らすことで、シャンプーの泡立ちを良くし、より効率的に汚れを落とすことができます。
- 頭皮の血行を促進する: 予洗の際に、指の腹で頭皮を優しくマッサージすることで、血行を促進することができます。血行が良くなると、髪の成長に必要な栄養が頭皮に届きやすくなり、健康的な髪を育むことができます。
- お湯の温度: 38℃程度のぬるま湯が最適です。熱すぎるお湯は、頭皮に必要な皮脂を洗い流してしまうため、避けましょう。
- 予洗の時間: 1~2分程度、じっくりと丁寧に洗い流しましょう。特に、頭皮を中心に、指の腹で優しくマッサージするように洗い流すと効果的です。
シャンプー:正しい泡立て方と洗い方

シャンプーは、髪と頭皮の汚れを落とすためのものですが、洗い方を間違えると、髪を傷つける原因にもなります。正しい泡立て方と洗い方をマスターし、美髪を育みましょう。
- シャンプーの泡立て方: シャンプーを手のひらでよく泡立ててから、髪につけましょう。泡立てネットを使用すると、よりきめ細かい泡を作ることができます。泡立てが不十分だと、洗浄力が低下し、頭皮にシャンプー剤が残りやすくなります。
- シャンプーの洗い方: 指の腹で頭皮を優しくマッサージするように洗いましょう。爪を立てたり、ゴシゴシ洗ったりするのはNGです。頭皮全体を丁寧に洗い、毛先は泡で包み込むように優しく洗いましょう。
- シャンプーの順番: まずは頭皮全体を洗い、次に髪の毛を洗いましょう。頭皮は皮脂の分泌量が多いため、丁寧に洗う必要があります。
- シャンプーの量: シャンプーの量は、髪の長さや量によって異なります。ショートヘアなら1プッシュ、ミディアムヘアなら2プッシュ、ロングヘアなら3プッシュ程度が目安です。
- シャンプーの時間: シャンプーの時間は、3~5分程度が目安です。時間をかけすぎると、頭皮に必要な皮脂を洗い流してしまうため、注意が必要です。
すすぎ:シャンプー以上に重要なすすぎ

シャンプー以上に重要なのが、すすぎです。すすぎ残しは、頭皮トラブルの原因となるだけでなく、髪のベタつきやニオイの原因にもなります。
- すすぎの回数: シャンプーの泡が完全になくなるまで、十分にすすぎましょう。シャンプーの回数よりも、すすぎの回数を多くするイメージです。
- すすぎ方: 頭皮にシャワーヘッドを直接当てて、丁寧にすすぎましょう。特に、生え際や襟足など、すすぎ残しが多い箇所は念入りにすすぎましょう。
- すすぎの温度: 38℃程度のぬるま湯が最適です。熱すぎるお湯は、頭皮に必要な皮脂を洗い流してしまうため、避けましょう。
- すすぎの時間の目安: 3~5分程度が目安です。シャンプーの泡が完全になくなるまで、時間をかけて丁寧にすすぎましょう。
- すすぎ残しがないかの確認: すすぎ終わったら、指の腹で頭皮を触って、シャンプーのぬめりがないか確認しましょう。もしぬめりが残っている場合は、再度すすぎを行いましょう。
トリートメント:髪の内部から補修する

トリートメントは、シャンプーで失われた髪の水分や油分を補給し、ダメージを補修する効果があります。
- トリートメントの種類: トリートメントには、洗い流すタイプと洗い流さないタイプがあります。洗い流すタイプは、髪の内部まで浸透し、ダメージを補修する効果が高く、洗い流さないタイプは、髪の表面を保護し、乾燥や紫外線から髪を守る効果があります。
- トリートメントの使い方: シャンプー後、軽く水気を切り、トリートメントを毛先中心に塗布します。根元にはつけないようにしましょう。
- トリートメントの時間: トリートメントの種類によって異なりますが、5~10分程度置いてから洗い流しましょう。
- 自分の髪質に合ったトリートメントを選ぶ: 髪質やダメージレベルによって、必要な成分が異なります。自分の髪質に合ったトリートメントを選びましょう。
- トリートメントは、毛先中心につける: 根元につけると、頭皮の毛穴を詰まらせる原因になるため、避けましょう。
ドライ:速乾&低温で髪を労わる

濡れた髪は、キューティクルが開いた状態のため、非常にデリケートです。自然乾燥させると、髪内部の水分が蒸発し、パサつきやうねりの原因になります。ドライヤーで速やかに乾かすことが大切です。
- ドライヤーの選び方: 速乾性があり、温度調節ができるドライヤーがおすすめです。
- ドライヤーの使い方: タオルドライで髪の水分を軽く拭き取ってから、ドライヤーを使いましょう。ドライヤーは、髪から20cm程度離して、温風を当てましょう。
- 乾かし方: 根元から乾かし、毛先は最後に乾かしましょう。
- ドライヤーの温度: 高温で乾かすと、髪がダメージを受けるため、低温で乾かしましょう。
- ドライヤーの時間: 同じ場所に温風を当て続けないように、ドライヤーを小刻みに動かしながら乾かしましょう。
- 洗い流さないトリートメントを使う: ドライヤーの熱から髪を守るために、洗い流さないトリートメントを使いましょう。
睡眠:美髪を育むゴールデンタイム

睡眠中は、成長ホルモンが分泌され、髪の成長を促進します。質の高い睡眠をとることは、美髪を育むために非常に重要です。
- 睡眠時間: 7~8時間の睡眠時間を確保しましょう。
- 睡眠の質: 寝る前に、スマートフォンやパソコンなどの画面を見るのは避けましょう。
- 寝具: 枕カバーは、シルク素材のものを選びましょう。シルクは、髪の摩擦を軽減し、ダメージを防ぐ効果があります。
まとめ

正しいシャンプー方法を実践することで、髪のダメージを最小限に抑え、美髪を育むことができます。今回ご紹介した7つのステップを参考に、毎日のシャンプーを見直してみてください。きっと、これまでとは違う、つややかで健康的な髪に出会えるはずです。




