自分の髪を染めて雰囲気を変えたい、美容院に行く時間がない、そんな時に便利なのが「ホームカラー」です。しかし、自分で染めることは難しいと感じる方もいるでしょう。この記事では、市販のヘアカラー剤を使用して、自宅でキレイに髪を染めるためのコツを詳しく説明します。ヘアカラー剤の選び方から染めた後の色の保ち方まで、すべてを網羅していきましょう。
・ホームカラーの選び方や、種類や、準備する物
・ヘアカラーの手順
・セルフカラーと美容院のメリット・デメリット
市販のヘアカラー剤の種類と選び方
まずは、自分に合ったヘアカラー剤を選びましょう。おしゃれ染めと言われる黒髪用のヘアカラー剤には、大きく分けて泡タイプと乳液タイプの2つの種類があります。
泡タイプ
泡タイプのヘアカラー剤は、薬剤を混ぜると泡になるものです。シャンプーをするように髪に馴染ませやすく、簡単にムラなく塗ることができます。不器用な方やホームカラー初心者におすすめです。
乳液タイプ
乳液状の薬剤を、専用のクシを使って塗っていくタイプです。密着性が高いため、髪が太く硬い方や、水分を弾きやすい髪質、染まりにくい髪質でも染まりやすいテクスチャーです。ただし、泡タイプに比べるとムラになりやすい特徴があります。髪に密着しやすく、部分染めに向いています。経験がある方におすすめです。
色味を選ぶ
市販のカラー剤はさまざまな色が販売されています。自分の好みに合った色を選ぶことが重要です。
- 暗めの色味は落ち着いた雰囲気に。
- 明るい色味は柔らかく明るい雰囲気に。
初めてセルフカラーを試す場合、ブラウン系のカラーが色ムラが目立ちにくく、失敗しにくい選択肢と言えます。
暗めでも透明感が出てキレイに仕上がる「アッシュ系」がおすすめです。また、品のある印象を与える「グレージュ」の色味も素敵です。暖色系の「ピンク系」は可愛らしい雰囲気を、ナチュラルで女性らしい印象を求めるなら「ベージュ系」が良いでしょう。黒髪に見せつつ、光の当たり方で色味が浮かび上がる「ネイビー」なども選択肢に入れられます。
パッケージの色見本以外にも、公式サイトで色味の参考情報が掲載されているので、参考にしましょう。
トーン(明るさ)の選択
選んだ色味に加えて、明るさを示すトーンを選びます。自分のイメージに合わせて選びましょう。明るさの選択によって、髪の雰囲気が大きく変わります。自分の好みに合わせてトーンを選びましょう。
ヘアカラーの色は、カラー系統の他に、明るさを決めるトーンという要素があります。同じ色味でもトーンによって雰囲気が変わるため、カラーの系統と合わせて考えましょう。色が抜けて明るくなった髪色を抑えたい場合には、暗めのトーンを選ぶことをおすすめします。
一方、より明るくしたい場合には、黒髪のメラニン色素を脱色できる「ブリーチ」を使用します。トレンドのインナーカラーを自宅で実現する際も、ブリーチを活用します。カラーを変えたい部分をブリーチで脱色し、その後にヘアカラーで色を入れます。ブリーチをしっかり行わないと、色のコントラストが十分に出ませんので、明確な色の違いを求める場合は美容院での施術を検討しましょう。ブリーチを行わない場合でも、色を楽しむ方法として「カラーバター」という染髪剤が利用できます。
セルフカラーの前に準備する事と準備
皮膚アレルギー試験(パッチテスト)
ヘアカラー剤を使用する前に、皮膚アレルギー試験(パッチテスト)を必ず行いましょう。ヘアカラーは肌のかぶれなどのアレルギー反応を引き起こすことがあるため、毎回の使用前にパッチテストを実施することが重要です。
セルフカラーを行う48時間前にパッチテストを行うことが必要です。また、ヘアカラーの説明書に記載されている注意事項を確実に守りましょう。
パッチテスト中、入浴やシャワーを控え、テスト液を塗った部分に触れないようにしましょう。もし発疹、かゆみ、刺激などの異常を感じた場合、すぐにテスト液を洗い流し、そのカラー剤を使用しないようにしましょう。アレルギー反応は突然起こることがあるため、毎回パッチテストを行いましょう。
換気を確保
ヘアカラー剤を使用する際には、十分な換気を確保しましょう。特に狭い室内や浴室で使用する場合、換気扇や窓を開けて新鮮な空気を取り入れることが必要です。
準備するもの
- ヘアカラー剤
- シャンプー
- トリートメント
- ヘアクリップ
- ヘアゴム
- ビニール製の手袋(製品に含まれていない場合)
- 髪ゴムまたはヘアクリップ(ブロッキング用)
- ケープ
- タオル(汚れても良いもの)
- 時計またはタイマー
- 保護クリーム(油性クリーム)
- 床の汚れを防止する敷物(新聞紙など)
- 手袋(カラー剤に付属していない場合)
- 輪ゴム2本(手袋用)
- ティッシュペーパー
- 鏡
髪のブロッキング
クリーム(乳液)タイプのカラー剤を使用する場合、髪の内部まで均一に染めるためにブロッキングが必要です。髪全体に泡を均等に馴染ませる泡タイプを使用する場合は、ブロッキングは不要です。
ブロッキングの手順は以下の通りです
- 髪をブラシでしっかりととかし、絡まっていない状態にします。
- 頭頂部から耳の上部にある髪を両サイドで結びます。
- こめかみから後頭部上側にある髪を結びます。
- 後頭部下側の髪を左右に分けて結びます。
ブロッキングをすることで、カラー剤を髪の全体に均等に塗布できます。
肌や周囲を汚さない対策をする
カラー剤が皮膚に付着しても簡単に落ちるように、髪の生え際、襟足、耳などに保護クリームを塗りましょう。保護クリームは油性のクリームが適していますが、髪に付着すると染まりにくくなる可能性があるため注意が必要です。
保護クリームを塗ったら、首にタオルやケープを巻いて汚れを防ぎます。床の汚れを防止するために新聞紙などを敷いておくと便利です。
セルフカラー中に皮膚にカラー剤が付着した場合、速やかに水で濡らしたコットンやティッシュペーパーで拭き取りましょう。時間が経つと取り除きにくくなるため、早めの対処が大切です。
セルフカラーの手順
ヘアカラー剤の説明書に従って、混合液を作ります。混合液ができたら、直ちに髪に塗り始め、途中で作業を中断しないように注意します。
薬剤は体温の低い部分から塗布していきます。襟足から始め、その後、後頭部を塗ります。
サイドから頭頂部へと、ヘアブラシを使って髪を分けながら塗布します。内側と外側の両方を塗ることを心がけましょう。利き手の反対側から塗ると、腕の汚れを防げます。
最後に前髪と生え際にカラー剤を塗ります。特に生え際は明るく染まりやすいため、最後に塗布します。髪が長い場合は、毛先にも注意して塗りましょう。
乳液タイプの場合、クシを使って均一にカラー剤をなじませます。この際、薬剤をこすり落とさないように気をつけましょう。泡タイプを使用している場合は、髪をまとめてシャンプーするように、優しくもみ込みます。
混合液が髪全体に均等に馴染んだら、指定された時間放置します。髪質や硬さによって、放置時間を調整することもできます。放置時間は各商品によって異なり、塗布開始時または塗布完了時から計ることもありますので、説明書の指示に従いましょう。
シャンプーする前に、頭皮と髪にぬるま湯を含ませ、やさしくもみこむようにして「乳化」させます。これにより、カラー剤が髪と頭皮にしっかり馴染み、ムラを減少させ、色の定着を助けます。また、頭皮のカラー剤を落としやすくする目的もあります。
ヘアカラーの色が流れなくなるまで、ぬるま湯で十分にすすぎます。シャンプーを2回行い、必ずトリートメントを使用しましょう。ヘアカラーのセットにトリートメントが付属している場合もあります。洗髪後はよく乾かし、完成です!
注意事項
- 髪を染める前に、髪が乾いていることを確認しましょう。湿った髪にカラー剤を塗布すると染まりにくくなります。
- カラー剤が足りないと、髪が均一に染まらない可能性があるため、たっぷりとカラー剤を使用しましょう。
カラー剤の使用量に関する目安は、商品のパッケージに記載されていますので、自分の髪の量に合わせて確認しましょう。髪が長い場合や髪の量が多い場合は、2つのカラー剤が必要になることもあります。
- 室温に注意しましょう。寒い環境ではカラー剤が染まりにくいことがあります。髪を染める部屋の温度を20℃から30℃程度に保つことが理想的です。
- カラー剤を洗い流す際には、38℃以下のぬるま湯を使用しましょう。高温のお湯は髪を傷める可能性があります。
- 使用説明書に記載された時間を守りましょう。時間を過ぎてしまうと、髪の色が過度に濃くなることがあります。また、髪の細さによっても染まり具合が異なるため、時間を守ることが大切です。
- 髪が細い場合は染まりやすく、髪が太い場合は染まりにくい傾向があるため、髪のタイプに合わせて時間を調整しましょう。
これらのコツを覚えておくことで、セルフカラーを成功させる確率を高めることができます。また、カラー剤の使用説明書に従うことも大切です。セルフカラーは慎重な準備と正確な手順が求められますが、自宅で髪の色を変える楽しみを提供してくれる方法です。
セルフカラーと美容院のメリット・デメリット
髪を染める方法として、美容院とセルフカラーの2つの選択肢があります。どちらを選ぶかを決める前に、それぞれのメリットとデメリットを知ることが大切です。
セルフカラーのメリット
- リーズナブルな価格で髪を染められる。
- 自分の都合の良い時間に自宅で染めることができる。
セルフカラーのデメリット
- 髪へのダメージが美容院よりも大きい可能性がある。
- カラー剤のムラが生じやすく、希望の色にならないことがある。
美容院でのカラーのメリット
- 希望する色味に仕上がりやすく、プロの技術が利用できる。
- 髪へのダメージを最小限に抑えることができる。
美容院でのカラーのデメリット
- セルフカラーよりも高価で、時間がかかる。
- 予約が必要で、都合に合わせにくいことがある。
どちらを選ぶかは、個人の優先順位に依存します。予算や時間、希望する結果に応じて選択しましょう。
セルフカラーは、自宅で手軽に髪の色を変えられるメリットがあります。しかし、成功するためには準備と手順をしっかりと守ることが重要です。また、パッチテストを行い、アレルギー反応がないことを確認しましょう。カラー剤の使用説明書に従い、髪のタイプに合わせて時間を調整することも忘れずに行いましょう。セルフカラーを楽しんで、理想の髪色を手に入れましょう。
初めての場合は十分な時間をかけて慎重に行うことが大切です。また、難しい場合や特別なスタイルを希望する場合は、美容院でのカラーリングを検討することも一つの選択肢です。自分の髪を大切にし、理想の髪色を楽しんでください。
セルフカラーを検討している方にとって、この情報が役立つことを願っています。髪の色を変える楽しさを味わいながら、魅力的なヘアスタイルを手に入れてください。